Column Vol. 28 貴社は、大丈夫!?○○化してないですか?

 

ご相談に来られる方で、中には会社を私物化している人がいる。この属性を持つのが小規模零細と言われる規模の企業に多いと感じている。そのような経営者にはこのような質問をすることがある

 

「会社とは何でしょうか?」

 

この問いに対して多い回答は

 

「事業をしているのが会社」、「社員がいるのが会社」、「事務所などの建物があるのが会社」などである。

 

しかしである。それらは個人事業主でも出来る事であり、実際にそういう個人事業主の方々もいるのだが、では、実態はというと「私が始めたのだから、全て私の物だ!」という、会社が多いのが現実である。どういうことかと言うと、登記上は会社でも、実態は個人事業主の延長線となっていることである。

 

間違ってもらいたくないのだが、小規模零細企業が悪い、と言っているのではない。むしろ応援したいのである。

 

創業社長は凄い。創業してから沢山の難題をクリアーして年商数億上げるほど事業で社会に貢献をしているのであるから賞賛をしたいのである。

 

しかし、中には会社へのツケで、自己所有のものがどれだけあるのか、税金対策として会社名義で買っている個人使用の何台もの高級車や家や別荘、マンション、サービスなど、どれくらいあるのか。それ自体その経営者の考え方だが、何が悪いということではないのだが、そのセンスや経験、時間を活かして他の事に考えられないのか、と言うことである。

 

小規模零細企業が生き残る年数がとても短いのは承知の話であるが、逆に日本全体の中小零細企業の割合が90%以上である。見方を変えると中小零細企業が日本の基盤を支え、大企業が提供する商品やサービスを支えているのである。

 

何故体系化し、事業を大きくしていく方向に進まないのか?

この話をするとこのような回答が返ってくる

 

「自分たちが食べれる分だけ稼げればそれでいい。だから大きくはしたくない。」

 

それは個人としての考えであれば問題ないだろう。しかし会社としての考えであれば、その会社のスタッフは浮かばれないではないか。社会的責任として、会社を継続させ利益を上げていきスタッフの生活を保証する。そして、繁栄することで社会への貢献をし、社会に必要となる事である。

 

それらを忘れて、自分の事ばかりを考えている経営者は必ず衰退する。そこには「ビジョン」が無いからである。これこそまさにペーパーカンパニー化である。

 

小規模零細企業でも、事業として仕事量が取れる会社も沢山ある。大きくしていくには、「どのようにすればいいのか」と悩むものである。年商2億、3億それをどのようにして大きくするのか。 元々一人から始めた年商数百、数千万の仕事をどのように現在までしたのか。仕事量を増やし、人員を増やし、ひとプロジェクトを大きくし、チームで動き始めたのである。そのチームをもう23作ればいいのである。

 

そうなると、必ず手詰まりになる状況が生まれる。その問題を一つひとつ解決していけばいいのだが、そこに経営者が組込まれている仕組では、プロジェクト全部を回すことが出来ず、ある程度チームメンバーに任せることになるが、ひとチーム5人としても4つで20人である。そこにパートナー企業等の人員が加わればもっと、である。

そこで必要になるのが短期人財育成の仕組である。そして、会社としての骨格、つまり体系化された規律等の環境整備なども必要になってくる。普段社長がやっている仕事量が30倍、100倍となり、それを捌くために分業化し部署を作る必要が出てくる。更にスタッフは多くなると、今度は全スタッフを一つの目的のために向かわせる仕組みが必要になる。その状況にこそ弊社が提供しているBIP式社内インストラクター制度が効力を発揮するのである。

 

会社の社会的責務は事業の継続であり、どんなことがあっても残していくことである。それは事業承継までを視野に入れなければならなく、その仕組を作らなければならないのであるが、そこで必要なのがビジョンであり、ブループリント(青図)であり、事業計画であるが、重要なのは「我社のスタッフ育成」である。その重要性は、「どんな事業でも全て、人が関わる事」であり、その最たるものは「収益はお客様からしか得られない事」と「事業は人が行うこと」を忘れない事である。

 

貴社にビジョンはあるか。貴社が継続する年数は50年か100年か。貴社にはその年数に合わせたブループリントがあるか。貴社には経営者が組込まれない体系化があるか。貴社にはスタッフが成長出来る仕組はあるか。貴社にはスタッフ全員で目指す目的や目標はあるか。貴社にはハイスペックな人財育成の仕組みはあるか。

 

これらを構築し、次世代にも残る会社を作る本気の経営者を応援したい。