Column Vol. 27 成長企業の経営者が持っている方程式の秘密

 

物事の焦点を変えることは日々の生活で色々なところで応用ができる。

 

焦点を変えるとは、意識する先を変えることであり、それをすることで認識される内容が変わる。よく例えられるのが、丸いグラスを上下左右斜めと角度を変えてみると見方や気づきが変わる、と言うものだが、この場合意識するところは認識の仕方によって変わる。その要素は形や大きさ、デザイン、色使い、模様などと多様である。

 

要はどこにフォーカスするか、と言うことである。

 

気づきから芽生える新しい思い

フォーカスするところを変えると、新しい発見がある。同じ被写体でも上記の要素の他にアングルやズーム、映り込む背景、上からのアングル、下からのアングルなど変えることにより、被写体が全く違うカオを出す。

 

文章にも同じことが言える。例えば、普段目を通している新聞の記事。最近の出来事であれば、多くの方が大変な被害に遭われたとニュースであるが、フォーカスする先を「積極的な思い」に変えると違う見方ができる。

積極な思いとは

日常で当たり前になっていることは多々ある。蛇口をひねれば当たり前のように水が出て、スイッチを操作すれば当たり前に電気が点く。スーパーに行けば当たり前のように食料品があり、当たり前を挙げればキリがない。しかし、その裏側でその当たり前を継続的に影で支えている仕事や人がいるからこそ、便利な日常を過ごすことができている。

 

これをよく「カレーライス」に例えるのだが、カレーライスを社食で食べると3〜400円程で食べられるが、それは裏側で沢山の会社や人が支えてくれている。簡単に挙げてみると、野菜を作る人、牛を育てる人、加工する人、何十種類ものスパイス等を使ってルーを作る人、お米を作る人、それら食材を運ぶ人、お店で売る人、材料を買って作る人、作ったカレーを提供する人がいる。

この連鎖をサプライチェーン(Supply Chain)と言うが、実際に自身で一から作るとなると途轍もない手間や時間、コストがかかるので、各供給元から材料を取り寄せ一つの製品を作る。この流れを管理することをサプライチェーン・マネージメント、通称CSMと言うが、提供されるほとんどの物は、「誰かのお陰」で成り立っていることが分かる。

 

何かを生み出す時、現状を変えるとき、積極的な思いでなければ、継続して良いものはできないのである。それは、「誰かの為になる」ということであり、日常の影で社会を支えている必要がある。

 

 

積極的な目で周りを見渡す

積極的な目で周りを見渡すと、多くの「当たり前」があり、その裏側には人々のお陰があることに気づく。社内もそうではないだろうか。

 

社内を積極的な目で見渡すと、会社を支えている社員。彼らがいるからこそ、今の会社があり、成り立っているのである。「今は小さいが、皆と一緒に大きくし、成長していきたい」と願うのであれば、人財という「資本、財産」となるだろう。

 

会社を経営するには経営の4つの要素である「人、物、金、情報」が必要であるが、この中で最重要なのが「人」である。なぜならば、4つの要素は「人」によって生み出されるからであり、その「人」をどのように育成するかによって、生み出されるものやバリュー(価値)が変わるのである。

 

経営に於いて、新人や中途社員を人材から人財へと変える仕組を構築し、短期、中期、長期と計画的に育成をすることで、経験と更なるレベルアップの仕組が必要であり、弊社が得意とするところである。この「人財=人的資本」という考えを“ヒューマンキャピタル(Human Capital)”と言う。それはかけがえのない積極的な想いであり、「価値」であり、会社経営をする際の肝心要である、という思いが込められた表現である。

 

日本の現状は、まだ「人材」であり、派遣業が世界で最も多い国になっている。それは考えのベースに「人材はコストだ」という考えがあり、それは資源、資材、消耗品とあまり変わらず、積極的ではない。

 

近年叫ばれている人手不足。消極的な考えや思いが読み取れる会社や経営者には人財どころか人材さえも集まらなくなってきている。自社で人財を育成する仕組みを構築し、積極的な思いで始める時が来たのではないだろうか。

 

この度、台風の被害にあった方々の無事と一日も早く平穏な生活に戻られることを心からお祈り申し上げますと共に、復旧に携わる方々への感謝と敬意を表す。