Column Vol. 9 初公開!年商1000億越え企業の人財育成の基礎 (1)

「先生!お久しぶりです!」

 

と、先日久しぶりにお会いしたM社長。すれ違いざまに元気で覇気のこもったお声をかけていただいたので、半ばビックリして振り返ったのも記憶に新しいです。

 

近況も含め多くの話題で、気になる言葉を聞きました。

 

「最近、辞めていくスタッフがいまして、新しいスタッフを募集しているのですが、なかなか“この人!”と言う人に出会えなくて…」

 

この言葉を聞き、真っ先にした質問が、

 

「どんな人財を求めているのですか?」

 

M社長曰く、

 

「優秀で現場や管理など全般も仕切れるリーダークラスで… スタッフの定着性が悪く、入れ代わり立ち代わりになるので、業務がこなせるようになった時には辞めていってしまい、現場には経験や成長途中のスタッフが多くなってきている・・・」

 

要約しますと、立ちっぱなしのキツイ業務を低賃金でオールマイティーに業務が出来、継続できるM社長に都合のよい「人材」が欲しい、と言うものでした。

 

社内体制と制度についていくつか質問しましたが、その回答に現状の問題は必然的であることに納得がいきました。

 

会社の説明、雇用形態、業務内容、職務の基準や規定等、基礎的なことがはっきり書面と口頭で説明されていない‥等

 

このような基礎的なことは、逆の立場になって考えればわかるものですが、制度や仕組をしっかりと作らない社長の怠慢を“ウルトラC”が出来る人に押し付けようとしていることが分かります。

 

その考え方には、根本的な間違った考え方が存在しているものです。そのため、スタッフを“人材”としか扱わないことで、スタッフが各自の臨界点を超えると去っていく現象が起きるのです。

 

“人材”と“人財”、そこに発生する「引き寄せの法則」

 

「人材」イコール歯車、パーツという考えがある所には、それなりの人材しか集まりません。応募する際に、「時間の切り売り」を前提で来るわけですから、その中で逸材を探すとは都合のいい話であり、逸材に出会う確率は少ないのは考えるまでもありません。

 

またそのような職場では、業務の詳細やトレーニング、基準が明確でないため、経験を重ねて学んでいく必要があることが前提となっている場合が多いのも現状です。

 

そのような会社では、成長する過程での評価やベースアップなど、なんの制度がないことも多々あり、コンビニや大手FC系のコーヒーショップなどの方が体制や教育の体制が整っているところも多く、時給換算すればヘタをするとそちらの方がまだマシと思うところです。

 

基礎として、会社としての体制と評価制度、コア業務の仕組化が出来、会社が望むスタッフへの想いとスタッフの想いがイコールになってやっとつり合いがとれ、会社の想いがスタッフの想いを越えたところでスタッフの“やりがい”が芽生え、スタッフの定着が起きるのであり、定着がないところにスタッフ教育による「ネクスト・レベル」への成長曲線は描けないのです。

 

「人財」イコール会社の運営を共に成長し合う仲間、という考えがある会社はどんな基礎的準備の上に、どのような人財育成をしているか。ここが一番の「肝」となります。

 

前職での多くの教育現場や多数のプロジェクトリーダーや職長を経験した中で言えることは、そもそものレベルが違う現場では、どの基準で人財育成をするのかによって、新卒でも5年後、10年後が雲泥の差となります。

 

数十億企業のままでいるのか、数百ないし数千億企業へと発展させたいのか、目指す目的の設定によりその手段や準備、整備は変わってきますし、会社全体のレベルも変わります。それにより、人財育成の内容や手法も変わっていきます。是非下記を参考にそれぞれの職場に合うよう、詳細に落としてみてください。

  1. 数十億企業を目指すのか、数百ないし数千億企業を目指すのかの決断
  2. それに伴うビジョンの制定
  3. 人財育成の目的と手法、制度とマテリアル(道具)の検討・準備
  4. 人財のレベルを上げる仕掛けと継続の仕組
  5. 知識共育と実践訓練の両立
  6. 講師レベルを引き上げ維持する仕組みと仕掛け
  7. 一元管理制度
  8. 人財育成に伴う評価制度の改善または導入。

 

次回は続編で「社員を成長させる企業」について語っていきます。