Column Vol. 17 会社を成長軌道に乗せたいなら、社長の細かいこだわりは最初から現場に落とす文化は創るな。

 

創業時のカオス的状況から、多岐に及ぶ部分が整理され、一通りの流れが出てくると全体的に多少の余裕が出来てきてくるものです。

 

余裕が出来ると、現場にもある程度の手順と流れが出来き、よく見かけるのは、「社長の細かいこだわり」が現場に入ってくることです。その細かさは、熱心に動きややり方、考え方までをまるで自分の分身を作るように、ひと時も離れず指導し始めます。

 

この指導が始まると、何時間も毎日毎日続くようになります。やがて言われるのは決まって

「何度も言っているだろ。」

 

「何故言った通り出来ないんだ。」

 

その状況がエスカレートすると、

 

「○○君は、ダメだ」

 

と名指しで批判をし始めます。

 

このような状況になりますと、居心地が良い職場とは言えません。

 

社員の本音は、

 

「付いていけません」

 

となります。

 

 

会社がこの状態に入った時、業績は平坦化し下降へと向かいます。

その主な要因は、大きく分けて2つあります。

 

一つは、現場が自立して回り、自ら問題の発見と解決、改善とつなげられるように教育・訓練されていないこと。

 

もう一つは、社長が本来やるべき、今後の発展や展開などを考えた経営計画からの行動・実践に集中し、出来ていないこと。

 

このような会社は、全ては「その場しのぎ」であり、現場にべったり張り付きながら出来ない社員の叱咤激励が始まります。

この叱咤激励が始まると、社長も社員もいい気分はしません。その状況が毎日繰り返されていることを想像するだけでも、そのような職場で作るものに愛情が持てるわけがなく、憎しみや怒りに満ちたものが出来上がるわけです。それが三流と言われる要因です。

 

 

現場では、「いつも・誰が」やっても同じ品質のものが出来ることが必要であり、それを基軸としている限りは、そこに妥協はありません。安定した職場で任され、何度も繰り返していくことで「効率化」という概念が芽生え、「10秒一サイクルで2個しか検品・梱包出来ないが、3つ出来るようにするにはどうすればいいか?」など、考えるようになるのです。

 

これが自立した現場での教育と訓練をベースとした仕組化であり、問題が発生した場合の手順や対処法なども事前に教育し、実践訓練をします。

 

一度訓練を通して体感したことは、いざとなった場合すぐに動作に出来ます。ただの教育として、知識勉強だけでは動作にはできません。

 

これが出来ている会社の社長さんは、時たま現場に現れ、現場を見渡して困っている社員を見つけると、サッと近寄り「こうしてごらん」と優しく、急所だけを社員に伝えニコっと笑い現場を離れます。

 

一流社長や急成長を成し遂げる会社は、自立した現場と職場環境含めた文化を作るには、最初のブループリント(青写真)が必要だということを社長さんは知っているのです。それを知っている社長さんの共通点は、その道のプロに頼むことであり、「仕組の構築の仕方を買う」ことをします。そのブループリントを作るのは、会社の社長さんと社長さんが率いる数名で創り、その後の展開までを考える必要があり、必要最小限の項目と作り上げる順番が一番大切になるからです。「即断、即決、即行動」も一流社長の共通点です。